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2004.02.24

東京都の最高峰雲取山登山の思いで その7

翌日私は異様な感じに襲われて雲取小屋で目が覚めた。耳朶に何かついているのだ。触ってみると耳の周りに大きな毛虫のような形をしたものが付いていた。
それが凍傷だと聞かされたが、私にはその重大さは分からなかった。
カマセン(鎌仙)は、今日はこのまま直ぐに山を降りなさいと言った。私は、1週間分の米を持ってきたから一週間泊めて下さい、と何遍も頼んでみた。しかしカマセン(鎌仙)は断固として山を降りなさいと言った。この人と一緒に降りなさい、と言って私には大学生に見える屈強な後見人を紹介してくれた。後見人はキスリングザック、登山靴、ズボンに上着と登山装備は私とは格段の違いである。私は父親の古い背広とズボンに黒い通勤オーバーを着て地下足袋を履いた姿であるが、ザックだけは赤城さんに借りた貫録のあるキスリングザックであった。
私は後見人と連れ立って山を降りることになった。外に出ると、辺りはさんさんと輝く太陽の光で明るく、くだるにつれて雪が少なくなり、次第に春のように温かく感じられてきた。雪がなくなり水に濡れた地面を見ることが多くなってきていた。
後見人は私に色々と山のことを教えてくれた。昨日雲取山の頂上から見えた灯は遥か下の秩父の灯で、もし昨日雲取小屋を通りすぎてしまったら、下の秩父の灯まで辿り着くのは容易ではない、小屋を見つけてよかったんだよ、といって私を慰めてくれた。

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