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2004.03.16

「体の中の原始信号」を読む-09

2004.03.16 14_35.JPG

第二章5「原始的な信号系の残存」では、ベルギーのリエージュ大学生化学教授、E・スコフェニル、紀州出身の学者、南方熊楠にふれながら次のように述べている。
「人間は粘菌よりはるかに進化した生物である。進化の過程で、はるかに複雑な信号系、オートメーションシステムを獲得した。であるから、現在人間の制御系といえば、高度に発達した神経系とか内分泌系等を問題にする。しかしかって先祖が持っていた原始的、単純な「制御系」は跡形もなく消失してしまったのであろうか。」

続けて言う。「前節で述べたように鍼術においては経穴に非常に微小な操作を加えると、それがインプットされた部位と一見無関係な部位に著名な反応となって現れる現象を経験する。これらは既知の神経反射パターンでは説明できない。「経絡現象」の現れ方にも、しばしばそういう事実が見られる。」
著者達は言う。「そこで私どもは再び前に述べた「仮説」を繰り返す。・<人間が、現在のように進化していない頃、今のように複雑な制御機構を持っていなかった時点で持っていた「原始的信号系」が遺体制として、今なお残存する。>」
私の観点にしたがって考えてみたい。まず、先祖が持っていた原始的、単純な「制御系」という場合の先祖とは、現在既に消滅してしまった生物を考えているのだろうか。粘菌も、鰐も現に存在しているのであるが、この生物達には原始的、単純な「制御系」というのが存在していないというのであろうか。
続けて言うところの「既知の神経反射パターンでは説明できない」としているところであるが、ここでは神経が生体にとって必要とされていることと、経絡現象が生体にとって必要とされていることを同じものとみているようである。しかし、全く次元が違うものと私は考えたい。
そこで再び仮説についてであるが、「原始的信号系」が遺体制として、今なお残存する、という仮説については、「遺体制」ではなく「現体制」でなければならない、と再び私の考えを述べてみたい。
生体が単位の細胞から巨大な多細胞になる過程での細胞間の通信は、先祖も現今も基本的に変わりはなく存在し続けていると考えなければ、多細胞生物が生存を続けて来ることが出来なかったし、これからも続けていくことは出来ないと私は思うからである。
今日はここまで。

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