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2004.03.29

「体の中の原始信号」を読む-15

2004.03.29 16:44.JPG

第3章5「身体の部位の陰陽とその対立性を知る」では、「磁気の作用」にまず注目してみたい。磁気ネックレスなどの流行にふれたのち、著者達はいう。「しかし、もし磁気の南北(SN)を別々に、あるいは一定の序列をもって接触してみると、そこに法則があることがわかるであろう。」
続いて、「鍼灸学においては、左右、腹背、上下をそれぞれ「陰陽」に区別し、これらはエネルギー的な相対性を有するとして、治療パターンにこれを利用する。」といい、磁石による実験においてこの相対性を利用したパターンを実証し、「この程度の刺激ともいえない影響を利用しても、バランスを調整することが出来るわけである。」としている。

次に「八分画の対立性」で著者達は、「中国医学(鍼灸術)の陰陽という概念のうちには、背部、左、上を陽とし、腹部、右、下を陰とする「部位の陰陽」という考え方があるが、この三つの陰陽の対立を組み合わせると、身体は八つの部位に分かれ、その間に極性のある影響に対する反応の対立が存在する。これを私どもは身体の八分画性(octantality)と呼んでいる。」として、人体を経脈によって八分画してみせている。
続いて更に、磁石をもってする一つの実験を紹介して、その結果をまとめて、「このような極性のある影響によって、生体の左右、上下、前後(背腹)の拮抗性がかなりよく示説できることは注目すべき点である。」としている。
著者達はなおいう。「このような「対立性」も私どものいう「原始的信号系」に属する特性ではあるまいか。」
私は私の観点から考えてみたい。まず、磁石という極性を持った刺激を用いた実験で、鍼灸学における治療パターンを現代的な手法で実証していることは、古典を現代的に理解し直すという点で良い実験であると思う。
次に「八分画の対立性」において、平面的な区分である背部と腹部、左と右、上と下を三つの陰陽として捉えて組み合わせているが、これは生体を立体として捉え直しているに過ぎない、と私は思う。
つまり平面的な捉え方から立体的な捉え方に移って考えるならば、立体的な部位のバランスについて理解することが出来るようになる、といっているに過ぎないのである。
ここで注目すべきは、「もし身体に八分画性があるとすると、その境界線をなすのは、(a)左右の境界の正中線、任脈、督脈、(b)上下の境界の帯脈、(c)前後の境界は三焦経、胆経、肝経を連ねる側線(Lateral Line)等である。これらの線に特別の意味があることを、古人は「諸陰の海」「諸陽の海」というような表現をもって示している。」というところである。
立体的な座標空間において、上下軸、左右軸、前後軸の3軸を決めると、上下軸の上部空間は4つの空間として、下部空間も4つの空間として捉えることが出来るので、「八分画性」というのは、このことについて新しい表現であるには違いない。また、対立性ということもこの軸を陰陽に区分して捉えるところに表われていると考えられる。
ここで私が私の観点から深めたいことは、この座標空間の原点は生体において、どこになるのであろうか、ということである。著者達は、「古人は「諸陰の海」「諸陽の海」というような表現をもって示している」としているが、それは「丹田」や「気海」ではない。古典において、このことを見聞きした覚えは未熟である私にはない。古典の中でこの重大な「原点」について名づけていないということは、非常に不思議なことであると私は考えるのである。なぜ古典の中にこのことが書かれていないのかということについて、私は私なりの考え方を持っているが、このことは後にふれることにしたい。
今日はここまで。

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