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2004.03.30

「体の中の原始信号」を読む-16

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第3章5「金属イオン差で経絡の流れを知る」では、「鍼の材質の影響」において、ヨーロッパ系の鍼灸の歴史の中から、間中喜雄博士が金属のイオン効果を検出する実験方法を立てるまでに至った経緯と、その実験結果を記して、「金属の相違による効果の差は認められなかった。」としている。
次に著者達は「金属のイオン差がカギを握る」において、イオン効果を検出する実験をさらにいろいろ試みていくうちに奇異な現象に出会い、「経絡の流れ」に関して、古典に表されている経絡の流れの方向が、イオン化傾向と関係していることをみいだしている。

著者達は経絡の流れについていう。「経絡の流れとは、中国医学の概念でいわゆる経絡中の気血の流れである。昼夜50回巡るというような表現があり、その方向は陰が上り、陽は下がるとされている。これはほぼ直立した姿勢で上肢を挙上した時に、陰経では下から上に、陽経では上から下に流れるというのである。
古人がどうしてこのような流れを定位したのか、その推理過程はどこにも書かれていない。」
更に著者達は、「中国の古典には、ある一般法則を無理に敷衍したのではないかと疑われるものがある。たとえば五行説に則って森羅万象をすべて五行に配当する。これが意味があるのかと不思議に思える。」
著者達は続けて「ただ不思議なことは、これほど演繹的なことが好きで、形式の整合性を尊ぶ中国の医家が、いわゆる五行穴を各経絡に配当する時に奇妙な不規律な並べ方を敢えてしていることである。」として例を挙げ、これがなぜかと問いかける人はほとんどいない、どういう根拠でそう決めたのか追究した人も知らない、という。
著者達は更に続けて「ところが、この二金属接触法で一種の「定位検定」をしてみると、この序列にも一定の法則があることがわかる。」として、
二金属接触の実験結果を挙げ、「いかなる方法論によって五行穴の配当を求めたのかは、古典の多くの記述のように、結果だけ示されていて、経過報告がない。ある種の直感によって得られたのかもしれない。」といい、「この位相差を看破した古代の鍼灸家に敬意を払ってよかろう。」と結論を述べている。
最後に著者達は「五行説がよし観念論的哲学の産物であるとしても、ここで取り扱っている五行穴の配当の様相は位相幾何学的な問題であり、我々の意図する信号系操作法にとっては重大な意味を有する。」として、第3章「Xー信号系は存在するか?」の結論としている。
私は私の観点から考えてみたい。まず、イオン効果を検出する実験を通じて、古典の経絡の流れと五行説の配当の結果を確認したことについては、現代科学の方法をもって古典の内容を検証して非常に優れていると思う。
著者達が、古人が経絡の流れについてどう定位したかその推理過程をどこにも書いてない、といっていることについて考えてみたい。経絡の流れが古典にまとめられた頃には、素材である経絡の流れについての認識が既に当時の古代科学的常識となっていた、という可能性を私は捨てきれない。つまり、推理しなければならないことなどは無かったのである、と私は思う。
次の五行説について著者達のいう「経過報告がない」ことも、五行説が纏められる時には既に、当時の人々にあった古代科学の常識がそうさせたと私は思う。つまり現代科学のような論文の形式を伴う必要は当時要請されなかったし、人々にその必要はなかったからである、と私は思う。
ここで私が注目したいのは「五行穴の配当の様相は位相幾何学的な問題」という結論である。位相幾何学は位相空間とともに非常に難しい学問であると思うが、この方向にこの問題の解決の糸口を探していくことに、私は大いに賛意を表したいと思う。
古代の人々が、当時の科学理論を分かりやすく述べていたと思われることを考えれば、現代の人々にもわかりやすく説明することが出来るはずだ、と私は思う。
そこで私は私の観点から、生体を立体的に考えてみることにして、単位立体として四面体をあげてみたい。つまり、たくさんの四面体が連携していくことを想定して生体を単純化して考えてみたい、と私は思うのである。
空間において分子が集合離散する時この単位立体は姿を現し、細胞から多細胞になろうともこの基本的な単体の姿が消えることは考えられない、と私は思うからである。
そして信号系について、生体を存立させている通信系としてこの細胞において発達し、多細胞において通信系コミュニケーションが完成しているとして、「Yー信号系」と私は名づけて考えたい。この通信系コミュニケーション「Y−信号系」を単位立体の四面体を通じて考えていきたい、と私は思う。

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