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2004.03.15

「体の中の原始信号」を読む-08

2004.03.15 19:00.JPG

第二章4「信号効果の特異性」では、重要な指摘がなされていると思う。それは「鍼灸で行っているようなデリケートな手技を弁別するようなシステムこそ、人間の身体に遺体制(rudimental biological system)として残っている「原始的信号系」ではないか、と私どもは考える。」としていることである。
つづけて、「私どもはこの未知のシステムを「Xー信号系」と名づけた。もちろん、こういう原始的信号系が存在することはいまだ仮説にすぎないが、後の章で列挙するような検証でその存在を示唆することが出来ると考える。」としている。
また、刺激作用と信号作用についての違いにふれ、刺激作用はその効果に累積作用があるが、信号作用は一見矛盾した効果が現れたり、作用方向に変化が見られるなど、刺激作用とは異質な効果であると述べている。
そして、「残念ながら、現代における鍼灸研究の関心事は神経系に対する刺激とその反応に集中されている。「X−信号系」の存在の可能性すら話題に上がらない。」と現況を嘆いている。
私の観点にしたがって考えてみたい。まず「原始的信号系」が遺体制であるというのは、著者達が最初から遺体制としての「原始的信号系」を考えていたからなのではないだろうか。著者達が仮説にすぎないという「原始的信号系」、名づけて「X−信号系」という系は、現実に存在して働き続けている系である、と私は考える。
鍼灸の研究ばかりではなく西洋医学的な研究方法は、著者達の言うように刺激を数量的にとらえて解析をする方法がほとんどである、と私も思う。刺激ではなく信号によって人間の制御・統制系が調整されているという著者達の観点は、「原始的信号系」という遺体制に留まっているとは言え、東洋医学の卓越した研究方法の神髄を突いているものだと、私は思う。
今日はここまで。

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