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2004.05.27

ラビ・バトラ 新世紀の大逆転」を読む-10

04.5.7 08:24.JPG

第2章の中の「経済民主主義を実現する」においてラビ・バトラはいう。「さて、これから陥る日本の大混乱を回復させる有効な方法は何だろうか。それは、この逆境を好機として、経済民主主義を実現させることだ。日本に経済民主主義を実現させる上で、この逆境がかえって絶好のチャンスをもたらすと私は考えている。」と。

ラビ・バトラはいう。1950年から1975年までは日本の企業と労働組合とはほぼ対等の実力を維持していたが、今や、世界有数の超巨大企業にまで成長した日本企業の実力は、労働組合の実力をはるかにしのぐものになっているので、「企業が生産性を向上させても、それに比例させる形で賃金を上げるような実力をもはや労働組合は持っていない。」と。
続けてラビ・バトラはいう。「この場合、なすべきことはただ一つだ。経済民主主義の実現がそれだ。労働者が企業の株を所有して自らの企業の所有者となり、企業の経営に責任を持つべきなのである。生産に関わるテクノロジーが新たな段階に入った今こそ、それは可能だ。労働者が企業の持ち主になれば、収益は公平に分配され、収益が上がればそれに比例して賃金も上げることが可能だ。」と。
私は私の観点から考えてみたい。労働者が企業の株を所有するという意味での経済民主主義は、理想通りに実現されれば富の配分を公正にして極端な富の偏在をなくすという点で、効果があるかもしれない。実験をする価値は十分にあると思う。
この場合、労働者が企業の株を売買することや、株の取引はどのように行われるべきか、解決すべき問題は多いと思う。また、経営者も労働者も流動化し始め、その傾向が望ましいと言われているが、このような状況を背景に経済民主主義が根をおろすには、労働者が企業の株を所有して所有者意識を持つだけで果たしていいのだろうか。このことだけで富の持つ力をコントロールできるのだろうか。
今日はここまで。

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