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2004.05.28

ラビ・バトラ 新世紀の大逆転」を読む-11

04.5.27 14:09.JPG

第2章の中の「日本再生のための道はどこにあるか」においてラビ・バトラはいう。「住宅の国内需要を高めることが、日本経済を再生させる第二の方法である。それは、従来の常識を覆すような広さの住宅を供給することである。各戸(四人家族平均)で居住面積二〇〇平方メートル以上の住宅を建設し、国民に安い価格で供給し、税制面でも持ち家を奨励するのである。」と。

続けてラビ・バトラはいう。「いったん広大な住宅を手に入れれば人々の消費は自動的に拡大する。そして、このような思い切った政策をとるなら、日本はアジア各国やアメリカの需要をもはや当てにする必要はなくなるのである。」と。
さらにラビ・バトラは「日本に魅力的な住環境が必要だ」においていう。「日本では現在、政府主導で住宅を大量に供給するという新住宅政策が積極的に進められている。しかし、問題は広さなのである。従来と同じか少しは広いという程度では、国内の需要の回復など望むべくもない。アメリカの国内需要が巨大なのは、ひとことで言って彼らの家が広いからである。前庭があり、広い居間があり、裏庭がある。物を貯蔵できる空間も十分にある。もう一度言おう。従来の常識的な広さの家では需要喚起は望めない。」と。
続けてラビ・バトラはいう。「供給のレベル、つまり企業の生産性を公的に支援する必要はない。現代の世界資本主義は、製造側とその資金の供給者の意向によって動かされ過ぎているのが問題なのである。彼らは需要の問題を優先課題とはしていない。しかし健全な経済にとって、需要と供給のバランスを求めることは不可欠なのである。」と。
そしてラビ・バトラはいう。「現在の時点で、ことに日本においては、政府が公共投資を行うべきなのは、住宅産業以外にはありえないのである。日本の税制は、現在の二倍の広さの空間に全ての日本国民が住めるようにする、この一点に集中すべきであろう。」と。
私は私の観点から考えてみたい。まず浮かぶのは、衣食住という言葉である。日本政府も住宅政策を積極的に進めてはいたが、どこからも居住空間の最低限を二〇〇平方メートルに置く提言は現れてこなかったことから思うと、日本人自身からは生まれてくることのない発想であるかもしれない。であるから、ラビ・バトラのこの提案は真剣に考えてみる必要があると私は思う。
次は、現代の資本主義が製造側とその資金の提供者の意向によって動かされすぎているという問題である。政府の公共投資が旧来の路線を脱しえないのは、政府自身が富裕者の手下に成り下がっているとは言え、近ごろ余りにも官民政策立案者の想像力がなさ過ぎることに、私は恐れを感じずにはいられない。
今日はこれまで。

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