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2004.11.17

石井米雄の「メコン」を読む - 02        「ムン川・モチ稲・ウルチ稲」

日本ではお正月の餅と祝い事のときの赤飯にモチ米を使い、常食にウルチ米のご飯を食べている。最近赤色の米や紫色の米が出てきているが、これらにもモチとウルチがあるらしいし、ムギにもトウモロコシにも、ヒエやアワにもモチとウルチがある。
メコンの支流に西から東に流れるムン川という川があって、古代には東西に延びる交易路があったようである。
この「メコン」の中から気に入った文章を取り上げて感想を述べてみたい。

「ムン川という川には、文化の境界線という、もう一つの重要な側面がある。ムン川の北側の稲はいずれもモチ米である。そして住民はラオ語を話す。「イサーン」とは「東北タイ」の通称だが、この言葉はただちにラオ語とモチ米、それに物悲しい調べを奏でる、あの笙に似た竹笛「ケーン」を思い起こさせる。ところがひとたびムン川を越えると、そこはクメール人の世界。モチ米の姿はいつしか消えて、田んぼにはウルチ稲が卓越する。メコンがラオ人を東西に結ぶ機能を果たしているのに対し、ムン川はラオの世界をクメールの世界から切断する役目をもつ、いわば文化の分水嶺の役割を果たしているのである。」
私はここまで読んで思う。モチ米を常食している人たちとうるち米を常食している人たちが堺を接しているという、このような川を堺に確然とした姿を知ったのは初めてである。
文化の分水嶺が川であるという、地質的にも地理的にも、ムン川とその流域は貴重な情報を秘めている空間かも知れない。
今日はここまで。

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