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2004.11.19

石井米雄の「メコン」を読む - 03        「マンダラ国家」- 東南アジアの古代国家

私が見聞きしていたマンダラというのは、インドに発する仏教の仏の画像が集合したイメージであり、すぐに浮かんでくるのは空海の胎蔵界と金剛界のマンダラ図である。
この「メコン」の中で出合った「マンダラ」という気に入った文章を取り上げて感想を述べてみたい。

「こうした「権力核」のひとつひとつを「マンダラ」と呼ぶ。これは古代インドの「実利論」(アルタシャーストラ)に由来する言葉で、日本語では「輪円」、英語では「サークル」と訳されるようだが、要するに権力の及ぶ範囲が支配者の個人的力量によって左右されることが多く、そのため明確な領域を恒常的に設定することが困難な政治的権力の存在形態を「マンダラ」という言葉で表し、その特徴に注目する。「マンダラ」という政治統合体は、個人的力量がものを言う世界だから、ある強力な王が死に、後継者の力量が先王に及ばないと、その支配領域はたちまちにしてしぼんでしまうということになる。東南アジアの古代国家には、「マンダラ」として説明したほうが実態をよりよく反映している場合が多い。」
また続けて言う。「クラチエとストウトレンを結ぶメコン河中流域には、クメール人の建設した「マンダラ国家」の痕跡が残っている。そのひとつはクラチエの北方37キロメートルの地点にある町サンポールに比定されるサンブープラの遺跡であり、他のひとつはメコンをはさんでストウントレンの対岸にあるタラ・ボリワットの遺跡である。」と。
私はここまで読んで思う。メコン河の流域でこのような形の「マンダラ」に出会うとは思いもしなかった。マンダラは環境としての宇宙が人の心の中にある宇宙と通じ合うチャンネルであるとすれば「マンダラ国家」は小宇宙として星の数ほどあって、古代にあってはそれでも目立って大きいものであったのかもしれない。
「マンダラ国家」とは言い得て妙であると思う。
おまけ-ウエブで見つけた面白い話し
今日はここまで。

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