« 石井米雄の「メコン」を読む - 04        「大いなる湖トンレサップ」 | トップページ | 石井米雄の「メコン」を読む - 06        「港市国家「カンボジャ」」 »

2004.11.21

石井米雄の「メコン」を読む - 05        「バライと呼ばれる巨大な貯水池の遺構群」

子供のころに聞いた、巨大な石造のアンコールワットが森の中で発見されたという話しを覚えている。その巨大遺跡がどこにあってどんな時代に栄えていたのか、知る由もなかった。かってアンドレ・マルローの「王道」を読んだことがあったが、ほとんど覚えていない。
この「メコン」の中で出合った「バライ」という気に入った文章を取り上げて感想を述べてみたい。

「グロリエはまずアンコール全体を、一大都市建設事業という角度からとらえる。かれはその都市に集中する人口を養うことを可能にした生産基盤として、都市を中心として東西に配置されたバライと呼ばれる巨大な貯水池の遺構群に注目する。そして綿密な計算に基づき、これらの貯水池が八万六千ヘクタールの水田の灌漑を可能にしたと推定する。仮に反当たり収穫をヘクタールあたり一・五トンとすると、総生産量は籾米で十三万トンあまりとなる。これは優に五十万人を養うに足りる量である。」
「それにしてもバライというしろものは現代的感覚を絶してまことに巨大である。これを考えた人間はいったいどういう頭の持ち主だったのだろう。九世紀末に掘削された東バライと呼ばれる貯水池は、東西七キロメートル、南北一・八キロメートル。これに対し、十一世紀の建設とされる西バライはさらに大きくて東西八キロメートル、南北二・二キロメートルという巨大さである。見事なばかりの直線で大地に人間の営みの存在を刻み込んでいる様子は、宇宙からこれを眺めた衛星写真にもはっきりと映し出されている。近代的な測量機器もなく、ブルドーザーもなかった時代に、よくぞこれほどの構造物を構想し、その構想を実現したものだと古代クメール人の建設技術力に驚くばかりだ。」
私はここまで読んで思う。トンレサップ湖の存在とその観測によるものと思うが、このように巨大な人口貯水池を構想して実現させていたことは、真に人間のもつ力は偉大であると改めて思う。
今日はここまで。

|

« 石井米雄の「メコン」を読む - 04        「大いなる湖トンレサップ」 | トップページ | 石井米雄の「メコン」を読む - 06        「港市国家「カンボジャ」」 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/12847/2025915

この記事へのトラックバック一覧です: 石井米雄の「メコン」を読む - 05        「バライと呼ばれる巨大な貯水池の遺構群」:

« 石井米雄の「メコン」を読む - 04        「大いなる湖トンレサップ」 | トップページ | 石井米雄の「メコン」を読む - 06        「港市国家「カンボジャ」」 »