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2004.11.26

石井米雄の「メコン」を読む - 10        「メコンを「黄金街道」に仕立上げていく」

シルクロードは何世紀にもわたって数多くの道が開かれ、東西の交易が続いていたという。物も流れ人も流れて文化、文明の興隆に果たした役割は大きいともいう。その中国が再び交易路を整備し、世界の商都となる道を進み出している、そう思うのである。
この「メコン」の中で出合った「メコンを「黄金街道」に仕立上げていく」という気に入った文章を取り上げて感想を述べてみたい。

「十九世紀の末、フランスがメコン踏査隊を派遣した時、かれらの目的は、雲南への商業ルートの開拓であった。しかしガルニエに始まるフランス隊のメコン踏査は、コーンヌの大滝によって代表される急流の存在によって、メコン河が、ベトナムと中国を結ぶ交易路としては適当でないという結論に到達した。こうしてフランスはメコン・ルーとの開発を断念する。
それから百年余の年月を経た現在、今度は、中国が逆に北から、メコンをつたってミャンマーや、ラオスや、タイなどの南の国と商売しようとしているのだ。中国の開放政策によって、メコンの河交易の方向は、百八十度その向きを変えてしまったと言えよう。」
続いて「かってフランスは水路標識を整備して、メコンを航行可能な交通路とした。山を越え谷を這って、果てしなく続く万里の長城を築いて外敵の侵入に備えた中国は、おそらくもっと雄大な構想をもって、メコンを「黄金街道」に仕立てあげていくに違いない。浅瀬であればそれを掘り下げ、行く手を遮る岩があれば次々とこれを爆破してメコンを馴致してゆくであろう。メコン河に、いまや新しい時代が到来しようとしている。」
私はここまで読んで思う。かって中国は眠れる獅子となって上海疎開を人手に渡していたが、今や眠れる獅子は起き上がって上海は空前の活況を呈している。眠れる中国人もまた、世界に目を開くようになってきている、私はそう思う。

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